人の目が見れない。会議が怖い。

ギャンブル依存症

ギャンブル外来の初診から3週間が経ちました。

今日は2回目。また私も一緒に行ってきました。

最近の夫の様子ですが。

なんだろう。

借金が無くなり、表情の険しさは無くなってきたんですが。

暗い。

背中に“自己嫌悪”と書かれた影背負ってる感じで、とても暗いです。

そして、暗いだけならいいのですが、こんな深刻な問題も出てきました。

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人の目が怖い…会議に出席できなくなった

借金返済してホッとしたのも束の間で、新しく出てきたのはこんな悩み。

会議に出席できない

夫の会社は毎週月曜日に会議があり、そこで発言しないといけないのですが、最近はそれが怖いみたい。

会社へ向かう途中、電車に乗りたいのに乗れなくてホームで何時間も動けずにいたら駅員さんに休憩室へ連れてかれたり、薬を飲み過ぎて眩暈がおきたこともありました。

何故でしょう。

彼はギャンブル依存によるある行動により会社を解雇されたのですが、上司の恩情により、今でもその会社で仕事はさせてもらっています。

また、上司は依存症や発達障害の事を勉強してくださり、私と一緒に夫のスケジュール管理までしてくれているんです。

なので夫からしたら、そんな状態に感謝しつつも、周りの目が怖いのかもしれません。

自分のせいで周りの手を煩わせてる
自分のことを周りはどう思ってるんだろう

そんな気持ちに支配されてるようでした。

会議に出れないことをヨシ先生に相談する

最近どうですか?

ヨシ先生が夫に尋ねます。

でも、考えてるのか何なのか。夫は俯き黙ってて、言葉は何も出てきません。

代わりに私が答えました。

上司と私でスケジュール管理を手伝うことになりました。体調が整うまで仕事量も減らしてもらっています。
毎日定時で帰れるので家族と過ごす時間もでき、生活サイクルが整ってきたように思います。

理解のある職場なんですね

ただカミングアウトした上司達はいいものの、それ以外の人と会うのが怖いようです。

特に、毎週ある会議が憂鬱みたいで、前回も出席することができませんでした。

夫の顔を見る先生。

夫が何も言わないから代わりに言おうと思ったけど、先生も何も言わないので私も黙って夫の言葉を待ちました。

「会議が…」

ポツリと呟く夫。

でも、それだけ。

妻よ、後は宜しくと言わんばかりの態度です。

自分で言えよ…

なんだか腹が立ってきました。

相手は夫であると同時に、発達障害をもつ依存症末期の患者。

正常な思考ができないことはわかってる。

周りが支えなきゃいけないこともわかってる。

でも、ついこの前、ギャンブルで作った借金の尻拭いをさせられた私は、どうしてもイライラが治まらなかった。

借金の尻拭いしてもらったくせに。

自分の状態くらい自分で伝えなよ。

彼が自分の気持ちを言語化できないこともわかってるんだけど、頭で理解できても心がついていかないんです。

モヤモヤした気持ちを抱えながら、さっきとは違う理由でまた私は黙ってました。

するとそんな空気を感じたのか、ヨシ先生は話題を変えてきた。

宿題をやらなかったのに褒めた先生

活動表は書けましたか?

そう言われて、夫はプリントを出しました。

このプリント、真面目に書いていたのは初めだけで、そのうち書かなくなってしまったんです。

そのことも、私をイライラさせる原因になっていました。

先生、未完成のこのプリント見て何て言うかな

私は黙って先生の反応を待っていました。

そしたら、夫に手渡されたプリントをじっと眺めていたヨシ先生。

私は半分しか書かれていないことを指摘されるだろうと思っていました。

怒られることはないだろうけど、「やり方わかりますか?」とか「今一緒にやってみましょうか」という提案があるだろうと。

でも、ヨシ先生は笑顔でこう言ったんです。

すごいっ!

ギャンブルに行ってない!!

彼を追い込んだのは私なのか…診察室で涙

これは衝撃でした。

先生は、できてないことはスルーして、まずは頑張ったところを認め、更に褒めてくれたんです。

「はい」

と答えた夫の顔が、少し前を向いたように見えました。

…これなんだな。

こういう対応が必要なんだろうな。

私はすぐイライラするから。

夫を支えてるつもりになってるけど、きっと私は彼のことを追い詰めている。

夫は夫なりに頑張ってる時期もあったのに。

私ができないことにばかり目をやるから。

私が彼を末期にまで追い込んだのかもしれない。

別の人が妻だったら、彼はここまで酷くならなかったかもしれない。

何とも言えない感情が込み上げてきて、俯いたら自然と涙がこぼれてしまいました。

認知行動療法でネガティブからポジティブに

泣いてることがバレないように、私はバッグの中のハンカチはとらず、服の袖でそっと涙を拭きました。

そんな私に先生は気づいたのだろうか。

顔を上げると、ヨシ先生は静かにこう続けました。

奥様も大変だと思うのですが、ご主人の場合、借金は本人任せにせず周りが管理した方がいいです。

返済へのストレスがない状況を作ると効果が出るのかもしれません。

そしてこの後は、会議をどうやって乗り越えるかの相談が始まりました。

ヨシ先生は、既に会社にカミングアウトしているなら上司へ協力をお願いしたらどうかと提案され、私もそれがいいと思ったのですが、どうやら本人の気が進まないらしい。

「コンタクトを外して目を見ないようにしたらマシになるかも」と言うので、とりあえずはコンタクトを外して様子を見ることになりました。

それから先生は、こう提案された。

認知行動療法をやってみましょう。

三十年以上、ネガティブ思考だったのをポジティブ思考に変える練習です。

そして前回とは違うプリントをくださいました。

今度はどうなるだろうか。

続けられるといいんだけれど…。

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